奇習愛10話ネタバレ!性に囚われ、苦痛とする大人達の選択は…? | 放課後マンガ

グランドジャンプめちゃで連載中の「奇習愛」についてネタバレをまとめました。

【前回のあらすじ】

美大生同士で付き合っていた牡丹と伸二。

しかし牡丹は自分に才能は無いと絵を辞め、絵を続ける伸二を見限ります。

やがて結婚した牡丹は…?

奇習愛9話のネタバレはこちら!

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目次

奇習愛10話ネタバレ!

大船マキは24歳の女性ですが、奇天烈な格好をして性別も年齢も解らないように過ごしていました。

気が弱くナメられやすい性格と風貌のせいで、露出の少ない格好をしていても昔から変質者などに絡まれっぱなしなのです。

女子高に入っても教師に迫られ、知らない人にストーカーをされるなど、すっかり男性恐怖症でした。

上司にもセクハラをされ、誰も味方に付けられず会社を辞める事になったのがきっかけで、自暴自棄の末に日本全国を放浪する日々。

ふと祭りをやっている事に気付き、参加してみると苦手なはずなのに、美しいと感じる男に出会います。

神職のような恰好だったからだろう、と思いつつ歩いていると、この行列は夫婦限定だ、と言われるマキ。

慌てて避け、この行列は何なのかと尋ねると、夫婦の子宝祈願だと教えられます。

この街では生涯童貞を誓った男性達が生き神様としてあがめられ、彼らに頭を撫でられると子宝に恵まれると言われているのです。

男なんてみんな、毎分毎秒いやらしいことしか頭にない生き物だと思っていたマキ。

しかし一生セックスを決めている男がいるなんて…と考えながら、あの美しい男を思い浮かべます。

もしそういう綺麗な男が実在するのなら、この街に暫くいてみようか、あの男の人たちと直接話して見たい。

どんな気持ちで生涯童貞を誓っているのか聞いて見たい。

どう問い合わせようか、と思っていると、不意に入ったコンビニであの美しい男を見かけ、思わず生き神様!?と声を上げるマキ。

驚きつつも、男は生き神である事を認め、マキは何時ごろ上がるのかと尋ねます。

そしてそのまま男が上がるまで待ち、男・穣と喫茶店に入ったマキ。

嫌いなはずの男性に自分から声を掛けて誘い出す事なんて初めてで、生涯童貞を公に誓っていると言うだけで、安心してしまっていると感じます。

手を出して来る危険性が無いだろう、と思っている自分も失礼だと思いつつ、安堵しているのは事実でした。

サングラスを外し、昔から男性に性的にしか見て貰えなかった、と過去を吐露するマキ。

異様に話しやすい穣を前に、穣のような生き神さまの存在を知り、視野を広げたくなったんだと話します。

男が皆、性欲ばかりじゃないと学習して、認知のゆがみを直したい。

そう話すマキに、とてもよくわかる、私も女性が怖いですから、と言う穣。

自分は大丈夫か、とマキが心配すると、マキは年齢性別不詳っぽいから特に怖くはないと嬢は答えます。

女性と思われない事が嬉しい、と心を開いて話せるようになっていくマキ。

穣は女性の自分の人生全て背負ってくれ、というような圧が怖く、生まれつき恋愛感情も性欲もよく解らないと話します。

責任を負う喜びや誇りも感じられない、という言葉にそうだよね、と納得するマキ。

どちらかの性別に生まれ付いただけで勝手に性別らしさを求められるのは怖い事だと感じていました。

この街では童貞である事が社会の役に立てるから感謝している、と話す穣を前に、自分はこの人になら恋が出来る、と思ってしまうマキ。

性別をとっぱらって対等に話せる異性、決して恋愛にならないからこそ安心して好きになれる。

皮肉な事にマキの恋は、実らない事が完成形の恋です。

友達になってくれないか、穣のような人と交友して男性への偏見を辞めたり、生き辛さを分かち合いたい、と言うマキ。

穣もその言葉に、私で良ければと微笑み返します。

こうしてマキは穣と同じコンビニでバイトをしながら、この街でしばらく暮らしてみる事にしました。

バイトの為、変な格好は出来ずおかっぱメガネ程度で容姿を隠して居るマキ。

ある日、こちらをちらちら見てニヤっと笑う男を見て出た、と気づきます。

どうしよう、と困惑するマキの隣で、あれ?由柾さん、と穣が声を掛けると男はビクっとしてみせます。

穣は枯れも生き神様仲間なんだ、とマキに紹介し、由柾は歯切れ悪くあー…う、まあ、と答えます。

暇なら3人で晩御飯でもしないか、マキさん他の生き神様と話してみたいって言ってたし、と言う穣。

マキは戸惑いつつ、じゃあと答え、由柾は複雑そうな表情を浮かべます。

酒を飲みながら、童貞の何が悪いのか、と大声で話す由征をなだめる穣。

別に女性が全員童貞を嫌ってなんかない、マキみたいに仲良くなろうとしている人もいる、と穣は話します。

しかしマキは、この人だって安全な人のはずなのに、何だか明るくできない、と感じていました。

帰り道、由柾と同じ帰る方向になってしまったマキは由征から、彼氏はいないのか、と聞かれます。

居ないと答えると、じゃあ二人でご飯に行こう、連絡先教えてよ、と言う由柾。

スマホが壊れてる事にしようかと思いつつ、イマイチいい言い訳が浮かばず対処方法がわからないマキ。

穣には連絡先を教えていて、どういう差別意識なんだ、この人何も悪いことはしていない。

そんな気持ちがあるのに、どうしても心が許せずマキは涙を流し、ごめんなさい、と答えます。

なんで俺だけいつもこうなるんだろう、30も過ぎると何が悪いのか指摘してくれる人すらいないし、いつまで経っても距離の詰め方ひとつ学べない。

そう言って泣きながら、こんな人生寂しくて、もう生きてたくない、と零す由征。

生き神様はどこにも需要のない高齢童貞を唯一正当化してくれる社会システムで、由征はそれを最後の心の支えにしていたと話します。

だけど自分だって恋やセックスがしてみたい、受け入れてくれそうなメスを見たらどうしてもオスを諦められない。

なんで夫婦が生き神様に頭撫でられると子宝になるという設定になってるかわかるか、と尋ねる由征。

モテない男たちが子孫を残せない絶望を神の力にすげ替えて、よその番に託すことでモテない男達の方を慰める。

夫婦の子宝祈願でも神聖な儀式でも何でもない、孤独に発狂してモテない男たちが犯罪を犯さないためのストッパーなのだ。

そこまで言うと由柾は、泣きながらどこかへと走り去っていきました。

誰もが、逃れられない性が痛くて憎くて、男性も女性も関係なく悲しいのだ。

そんな気持ちが心の中に広がり、家に帰るなり泣き続けるマキ。

しかしこの後マキはもう変装する気にはならなくなり、男性に声を掛けられても静かに無視を決め込んでいました。

由征の奥底の叫びを聞いてから、前よりオスの性と言うものが怖く無くなった気がします。

ある日、隣町で生き神様の仕事が入ったけど、歌手も来るからマキさんも良く?と聞く穣。

由征さんも来るのかな、と気まずそうに言うと、由柾は生き神を辞めて東京に引っ越すそうだと教わります。

生き神様も離職率は高く、毎年人の入れ替わりが激しいと言う穣。

童貞を公表している事が恥ずかしくなってすぐ辞めたりするのだそうです。

セックスが出来ない事が恥ずかしいと言う価値が早くなくなってほしいけれど、生き物の最大の目的は繁殖だから多分無理だろう。

子孫を残すために異性と交尾にありつく力、それに長けた個体が愛されるのは自然な事で、そうでない個体は相対的にニーズが低いのも仕方ない。

そう話す穣に、ならばなぜ子孫を残せない同性愛者や無性愛者が生まれるのだろう、というマキ。

穣はそれを進化の可能性だと思いたい、と答えます。

何年か後にはいずれ人類が同性同士でも子を宿せるようになるためとか、一人でも自家懐妊できるようになるためなどであってほしい。

その意見に、セックスできなくても価値のない人なんて一人もいない、と心から思うマキ。

マキはその気持ちから、穣に自分と入籍してみないか、と提案します。

互いに童貞と処女のまま、一緒に住んだりもしなくていいし、生き神様も続けて良い。

ただこういう人同士の書類を介した公的な絆を作ってみてもいいんじゃないかと思った。

不都合が起きればすぐに離婚していいし、固定観念を根こそぎとっぱらった結婚をする事で、社会への挑戦や、新しい価値観の提唱になる。

その話に穣は、悪い話じゃないかも、真面目に検討してみます、と答えました。

奇習愛10話感想

何かちょっといい話でしたね。

このシリーズでは珍しい感じのエロっぽさ無しの話でしたし。

考えさせられる、結構好きな回でした!

奇習愛11話のネタバレはこちら!

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