2022年4月28日発売のまんがグリム童話2022年6月号掲載「声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~」73話についてネタバレです。
目次
声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~73話ネタバレ
公三郎のために傷を負ったチヌは少し前に退院し、今は家に医者が往診に来てくれていました。
医者から傷の経過も良いと聞いたチヌは、矢津へ帰りたいと伝えます。
しかし2時間も俥に揺られるのは感心しないと医者に止められ、まだ見世へ戻れないのかと落ち込むチヌ。
そんな中、チヌが医者から少し体を動かすのがいいと聞いたキヨは、いい機会なので家事全般仕込むと提案しました。
たまきも一緒にとキヨに言われ、チヌは驚いてたまきと顔を見合わせます。
ということで、2人はキヨに教わりながら、掃除を始めました。
そんな中、チヌは偶然そばにあった、たまきの本を開きます。
その本には難しい数式や英語が記されており、チヌはこんなの人間が分かるのかと驚きます。
そして公三郎の奥方候補であるたまきと自分を比べて、落ち込むチヌ。
するとたまきがチヌの手から本を取り上げ、自分の大事な本に触らないでと怒ります。
チヌは謝りますが、たまきは字が読めない彼女を嘲笑しました。
頭に来たチヌは、日本語だったら少しはできると控えめに反抗します。
その時、後藤田がチヌのお見舞いにやってきました。
チヌは後藤田の姿を見て、少し涙ぐみながら「甚様~」と膝をついて頭を下げました。
それから後藤田は家に上がり、チヌの部屋を今は染花が使っていることや、美緒が染花付きになって上手くやっていることを伝えます。
戻れるか心配そうなチヌに対し、後藤田はいざとなったら身請けしてやるから安心しろと言って笑いました。
そんな彼の言葉を聞き、嬉しそうに微笑むチヌ。
するとたまきは、ここは公三郎の家なので、そんな話は汚れた場所で行いなさいと怒ります。
後藤田はまさしくここは公三郎の借りている家で、チヌは公三郎の命の恩人で療養中だと言います。
そのため、どう見てもあんたの方がおまけだという後藤田。
そんな彼の言葉に、たまきは激怒します。
チヌはハラハラしましたが、内心ちょっとスッとして、後藤田に感謝しました。
さらに後藤田はチヌを罵るたまきに対し、よく知らない女郎のことを批判するのは賢い人間のすることじゃない、女郎になって客をとってみれば少しは分かるだろうとニッコリ微笑みながら言いました。
しかしたまきは侮辱だと叫びながら、いきなり後藤田を平手打ちしました。
後藤田は驚いて目をぱちくりさせています。
そこへ公三郎が帰ってきましたが、後藤田は怪訝な表情でそそくさと家を出ていきます。
チヌはお見送りしてくると言って、慌てて後藤田を追いかけました。
そしてチヌは自分を庇ってくれた後藤田に、お礼を言います。
後藤田は気にするなと言って笑い、公三郎に愛想が尽きたら、いつでも自分に鞍替えしていいと告げて去っていきました。
チヌは後藤田の言葉にキュンとしました。
後藤田は公三郎からチヌを奪ったら、自分の株もさぞや上がるだろうと密かに笑います。
それと同時に後藤田は、療養中のチヌに妙な負担をかけて、たまきを家に置いている公三郎に複雑な思いを抱いていました。
その後、チヌが家に戻ると公三郎が泣いているたまきから事情を聞いていました。
どうやら公三郎はたまきから、後藤田が自分に酷いことを言ったと聞いたようです。
チヌはそれは自分を庇ってくれたのだと言おうとしますが、公三郎はたまきを庇い、後藤田は口がきついところがあるので、気を付けてやってほしいとチヌに要求します。
そんな彼の言葉にショックを受けて、何も言えなくなるチヌ。
それから公三郎はたまきに、チヌがここにいる間、勉強を教えてやってほしいと頼みました。
チヌは断ろうとしますが、公三郎にせっかくの機会だからと言われ、渋々受け入れるしかありませんでした。
その後、たまきは庭に出ます。
すると背後から突然何者かが現れ、悲鳴を上げようとするたまきの口を塞ぎました。
その男はボロボロの服を着て、やつれた顔をしていましたが、たまきは声を聞いて彼が圭哉兄上だと気づきました。
12月31日。
巴は見揚がりの客として、久米を呼んでいました。
久米の話を聞きながら、巴は抱かれたら彼を忘れられなくなり、徳次を捨てるだろうと感じます。
そして2人きりになると、久米は巴に熱いキスを始めました。
それから2人は寝室に向かおうとしましたが、部屋の外から泉州屋のおばさんの泣き叫ぶ声が聞こえてきました。
どうやら徳次に何かあったらしく、おばさんは巴にそれを伝えに来た様子。
巴は急いでおばさんの元へ向かい、徳次がどうしたのかと尋ねます。
するとおばさんは、徳次が客に頼まれて2つ向こうの町まで行こうとしたところ、途中の山道で谷底に転げ落ちたという知らせが届いたのだと話しました。
今徳次はこちらに運ばれている最中とのこと。
巴は山道から落ちて死んだ父のことを思い出し、たまらず泣きながら走り出します。
徳次のことを考えながら、必死に走って泉州屋へ向かう巴。
しかし泉州屋には元気な姿の徳次がいました。
無事だったんかと問いかける巴に、徳次は不思議そうな顔をしながら、案内の人が道を間違って手間をとったので、危ないことなどちっともなかったと話します。
徳次が谷底に落ちたと報せに来た人も誰か分からず、いつの間にか姿を消してしまったようです。
安心した巴は徳次に縋りついて、大泣きしました。
そこへ久米がやってきて巴に、あんたさんが選んだお方と末永くお幸せにと告げて去っていきました。
そんな彼の姿を見て、何かに気づく巴。
実は徳次に注文をしたのも、事故の報せも全て久米が仕掛けたものでした。
久米は巴が自分を選んだらいつか必ず徳次を選ばなかったことを後悔するので、そんな嘆きはさせられないと考えたのです。
恋は火花のようなもので、消えた後は闇。
しかし徳次は一時の光ではなく巴をずっと温めてくれるだろうと、久米は思ったのでした。
そして除夜の鐘が鳴り始めた時、チヌの元に栄太が現れるのでした。
声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~73話感想
巴のことを思うが故の久米の行動にグッときました。
そして栄太が登場し、これからどんな展開になるのか楽しみです!
次回の「声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~」74話が掲載されるまんがグリム童話2022年7月号は5月27日発売です。
声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~74話ネタバレはこちら