2021年2月27日発売のまんがグリム童話掲載4月号掲載の「声なきものの唄~
瀬戸内の女郎小屋~」についてネタバレをまとめました。
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【前回のあらすじ】
復讐しようと早みどりの夫、利市は公三郎を狙っていました。
利市は母親を捨てたことで親族からも見放されていました。
さらに見舞金を公三郎から受け取ったことで、利市への情は消え失せてました。
全ては公三郎のせいと逆恨みをしているのでした。
しかし久米が現れたことで機会を失います。
恵は会合で女性であることから徐々に煙たがられている様子でした。
男たちから仕返しをされた恵の窮地を、千鳥が救います。
千鳥は栄太に口づけされたことが忘れられません。
ぼんやりしてとんでもない失態をしたところを栄太に救われます。
罰として仕置部屋に入れられた千鳥を栄太が見舞います。
微笑む千鳥の白い首筋を見た栄太は背後から抱きしめます。
千鳥も応えるようにキスをして、抱き合うふたりの姿をおイトが見つけてしまいます。
目次
声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~59話ネタバレ!
おイトに抱き合う姿を見られたことで、二人は慌てて離れます。
「栄太さん、見世の女郎に手を出したら、いかんのやろ?」
栄太を秘かに想うおイトは見たものが信じられない様子です。
「ひでぇことを……!遣り手さんに言いつけたる!」
泣き出したおイトは言い付けようと走り出します。
それを止めたのは巴大夫でした。
「あんたは新入りの子やね。どうないした?」
「巴様、あのおふたりが……」
「わかっとるでええよ。うちがよく叱っておくけん」
それでも納得しない様子のおイトに、巴は自らのかんざしをつけてあげます。
「よう似合っとるよ。ええ子やな。そやから、ここで見たことは黙っとき!」
一番手の巴に睨みつけられ、おイトは震えあがります。
どうにか窮地を乗り越えた千鳥と映画は、はぁとため息をつきます。
巴大夫がそんな二人をガミガミ叱りつけます。
お叱りを受けながら、千鳥と栄太は手を繋いでいました。
「ほら、それがいかん」
巴は二人の手をぺしっと叩き、さらに注意します。
「あんたらみたいな純な子が、周りをごまかせると思うか?むつみ合いもあかん」
触れ合うことを禁じられた栄太は、「ええっ!」と声をあげます。
「そないなことしたら、気持ちは止められんやろ。追い出されるのは栄太やで」
巴は二人をしかりつけたうえで、助言をします。
「恋は止められんものや。しかし秘めていくことはできるんやで」
巴は年季が明けるまで恋をひた隠しにして守れ、と助言しているのでした。
千鳥と離れたくない栄太を巴は引き離していきました。
仕置部屋から出された千鳥は、焦げてしまった髪を整えてもらいます。
お付きの美緒が、千鳥を見守ります。
美緒は千鳥と栄太が早まったことをしないよう、巴からよく言い聞かされています。
(栄太の気持ちは知っとるけど、千鳥姐さんの心は穴が開いたままやし…)
二人の恋が危うげなものであることを美緒も知っていました。
(しかし、あの栄太が行動に出るとは思わんかったわ~!)
美緒の心配をよそに、千鳥は髪をきれいに結ってもらってご機嫌です。
(栄太のおかげか知らんけど、姐さんが明るくなったからええか)
栄太という心の支えができた千鳥は、笑顔を見せるようになっていました。
(うちを好いてくれる人がおるって、こんなにも心が温くなるもんなんや)
千鳥が明るくなったことで、後藤田は自分を選んでくれたと喜びます。
「千鳥のやつ、若様のことが吹っ切れて、わしを選んでくれたんやな」
単純な後藤田を見た美緒は、愛想笑いを浮かべて調子を合わせます。
「後藤田様が来るときは、姐さんってば、そわそわしてますのや~」
ご機嫌な後藤田は、いつもより多めの心付け(チップ)を渡してくれました。
それを見ていた栄太が、美緒に声をかけてきます。
「なぁ、チヌは見送りに出てないけど、具合でも悪いのか?」
「後藤田様が『見送りはせんでええ』って言ってくれたんや」
ほっとする栄太に、美緒は話しかけます。
「栄太、あんたイイとこあるな。応援はせんけど、温かく見守ってるわ」
美緒の意味深な言葉を、栄太は風呂に入ってる千鳥に外から伝えます。
堂々と会うことができない二人は、仕事を絡めてしか会えないのです。
「巴姐さんから命令が出とるんや……」
改めて自分たちの立場を思い知る二人でした。
栄太のことを意識しだすと、どうやって話していたのかわからなくなる千鳥です。
思わず足がふらつく千鳥を、栄太が抱きとめます。
「栄太さん、おおきに!」
「千鳥さん、ええんです!」
美緒は複雑な顔で見ていますが、客である仙海はなぜか嬉しそうです。
「千鳥、ふらつくほど頑張ってしまったのかい?」
「それはもう、仙海様の御相手ですもの」
喜ぶ仙海を、嫉妬の炎を燃やして見つめる栄太でした。
海岸沿いでひとり休む栄太のところに、千鳥がそっと来ました。
「チヌ?なんでここに」
「美緒ちゃんがここへ連れ出してくれたんや。今は見張ってくれとる」
ふたりはつかの間のデートを、手を繋いで楽しむのでした。
「年季が明けたら、わたしの島へ行こうや、チヌ」
「ほんま?うれしなぁ」
ささやかな会話が栄太は嬉しくてたまらないようで、涙をこぼします。
そんな栄太にそっとキスをする千鳥でした。
一方、栄太を想うおイトは複雑でした。
(千鳥さんはずるいのぅ。私が栄太さんを慕っとるのに、千鳥さんがたぶらかす)
おイトは女郎屋で働いていても、母親の希望で身売りはしませんでした。
女郎になった女は一生縛られることを知っているからでした。
(おっかぁはどれだけ貧乏でも、子どもを売ったりせんかった。それが自慢や)
しかし女郎屋で出される食事は白い米の飯で、女郎たちは美しかったのです。
母親は髪を振り乱して仕事をする毎日なのに、女郎たちは華やかに着飾っています。
そんな女たちを眩しく思いながら、おイトは働いていたのです。
おイトは下働きとして千鳥の世話もしますが、嫌がらせをするようになります。
着物をカミソリで斬りこんだり、食べ物に細工したり、いたずら程度のものです。
(千鳥さんが悪いんや。うちにこんなことさせるなんて……)
しかし千鳥は怒りもせずに、黙って受け入れるのでした。
面白くないのはお付きの美緒です。
ある日我慢できなくなった美緒は、おイトを納戸に連れ出します。
「禿さん(美緒のこと)、うちは忙しいですけん…」
「ちまちま悪戯する時間があるんやないの。あんた、栄太にぞっこんなんやな」
秘かな想いをあっさり見抜かれ、おイトは慌てます。
「だから千鳥姐さんに嫌がらせとはねぇ」
「だってあの人が悪いんや。栄太さんをたぶらかすから!」
「たぶらかす?あんた、人を見る目ないのぅ」
美緒はおイトより歳下でしたが、はるかに世の中を知っています。
「千鳥姐さんはあんたの仕業と分かっていても、塩だらけの餅を食うお人や」
美緒は怒ってはいても、淡々と話します。
「たぶらかすとはよく言えたな。あんたは女郎を心の中でバカにしとるやろ」
指摘されたおイトは、言い返すことができません。
「その女郎さんのおかげで飯が食えとる、うちらが言うんは筋が違うやろ」
美緒は栄太がどれだけ千鳥のことを想っていたかしっかりと話します。
「栄太かて辛いんや。それでも思い続けとる。それをわかってて言うんか!」
おイトは一言も言い返せませんでした。
(なんであんな子どもに叱られなあかんの。二人の恋を認めるなんてできへん!)
呆けた頭で仕事をしていたおイトは楼主の部屋で、粗相をしてしまいます。
楼主が大事にしていると思われる瓶を割ってしまったのでした。
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声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~59話感想!
若様を失った痛手から、栄太が自分を想ってくれていたことに感動する千鳥です。
事情を知るだけに、巴や美緒は厳しくも温かく見守っていますね。
秘かに恋を育てていく千鳥と栄太ですが、危うげな恋は成就するのでしょうか?
栄太を想うがゆえに、悪さをするおイトも気になります。
次回の声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~が掲載されるまんがグリム童話5月号は
3月29日に発売されます。