2020年11月29日発売のまんがグリム童話1月号掲載の「声なきものの唄~
~瀬戸内の女郎小屋~」についてネタバレをまとめました。
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【前回のあらすじ】
千鳥(チヌ)は早みどりが身投げしようとしたところを止めます。
泣き崩れる早みどりを、千鳥は優しく世話してやるのでした。
早みどりは元夫に抱かれていることを公三郎に知られたくありません。
元夫を殺すことを決意する早みどりでしたが、先に西海楼の楼主が懲らしめます。
千鳥は旦那候補のひとりである加来に、人柄だけでなく才覚も見込まれます。
新しい酒屋の主になってほしいと言われ、心を動かされる千鳥でした。
一方、四国の炭鉱場の男たちは貧相な女郎小屋に通うことを楽しみにしてました。
そこにいたのが、「お香」と呼ばれる女でした。
目次
声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~56話ネタバレ!
炭鉱夫のテツがお香に声をかけると、お香は微笑みながら振り返ります。
お香は千鳥の姉でしたが、美しかった容姿は驚くほど変わっていました。
うさぎ屋の女郎たちは炭鉱夫たちをもてなし、名物うさぎ汁を振る舞います。
お香は川岸でテツに抱かれながら、これまでの経緯を思い出していました。
瀬島に会えると聞かされて足抜けしたお香でしたが、なぜか見世に入れられます。
そんな時、相手した客がお香が手を抜いたと怒り、顔面を激しく殴ります。
鼻は折れ曲がり、歯も抜けて、体はぼろぼろになっていきました。
貧相な容姿になったお香は見世を追い出され、最後にうさぎ屋に行き着きました。
テツがなぜかお香の首を絞め始め、お香は「殺してくれるんか」と呟きます。
テツは首を絞めるのを止め、川から魚を採ってきて、お香に渡すのでした。
ウサギ屋に戻ったお香は、魚を手渡しますが、逆に怒られてしまいます。
「お代はどうした!うさぎ屋は最下層の女郎小屋だが金はもらわないかん」
最下層の小屋であってもお金を稼がなければ生きていけません。
お香は怒鳴られながら、ぼんやりと別のことを考えていました。
(テツさんはうちを殺してくれるかもしれん。うれしなぁ。あの人に会いたいねぇ)
お香はいまだ瀬島のことを想い続け、いつか迎えにきてくれるかもと思っていました。
一方、東陽楼では千鳥が後藤田を寝所でもてなしていました。
「うふふ、甚さまぁ」
後藤田は千鳥に初めて「甚様」と呼ばれ、心から喜びます。
「千鳥ぃ。やっと他人行儀じゃなくなったのぅ」
後藤田は千鳥を背後から抱きしめながら、頬をすり寄せます。
「誰を旦那にするかもう決めたんか、千鳥。それはわしじゃろう?」
千鳥は何も答えず、巴姐さんに言われたことを思い出します。
「千鳥、旦那を選ぶときに一番大事なことは、選ばん人への気配りや」
五人の旦那候補の中から一人を選ぶ場合、残った四人のメンツは保てなくなります。
それゆえ遺恨を残さぬよう、選ばなかった旦那へも心配りをすべきという教えでした。
(結局うちはだれかに頼りながらしか生きていけんってことや……)
千鳥は女郎の世界から解放され、自分の力で生きていきたいと願い始めていました。
「うわぁぁ、いてて!」
後藤田の足指に、飼い猫のおヒぃが噛みついていたのです。
「この足、どうするつもりや!」
千鳥は頭を下げながら、お付きの美緒に薬箱をもってくるよう指示します。
そして千鳥は後藤田の足を優しくつかむと、その指をそっと舐めました。
まるで猫のような艶っぽい仕草に、後藤田はぞくりとします。
「娼婦なのにいつまでウブなんやと思っとったが、色仕掛けするとはなぁ」
「へぇ。やけど甚様にはこんなの効きませんじゃろ?」
千鳥は後藤田を見上げながら、その足指をぱくりと加えました。
すっかり興奮した後藤田は千鳥を押し倒そうとします。
そこへ美緒が薬箱をもってきたため、ひらりと後藤田をかわします。
「こないだなぁ、料亭で早みどりに会ったんや」
後藤田は料亭で早みどりに出くわし、「あんたは身代わりの女や」と話したのです。
「真相を聞いて、真っ青やったなぁ。いい気味やろ?」
後藤田はにやりと笑いますが、早みどりがなぜ死のうとしたかわかってしまいます。
「そうどすなぁ……。そやけど同じぐらい気の毒な方やと思ってます」
千鳥の心は複雑でした。
「勘違いすんな、千鳥。こないにむごいことをしたんは若様やで」
後藤田の言葉に、何も言えない千鳥でした。
一方、西海楼では若水公三郎が早みどりのためドレスを用意してやっていました。
若様が見立てたドレスは、亡くなった恋人の面影を追ったデザインでした。
そうと知りながら、早みどりはドレスを試着してみます。
「早みどり様は幸せですねぇ。旦那様が何でも与えてくださる」
公三郎が早みどりを贅沢させるのは、かつて恋人へしてやれなかったことでした。
(僕はあの人に何も与えてあげれなかった。錯覚とわかるがそれでも……)
公三郎も今の状況が正しくないことは理解していました。
しかし昔の恋人への恋慕と罪悪感から、早みどりを身代わりにしてしまうのです。
そこへ酔っぱらったお志摩が扉を開けて入ってきます。
「たしか、おシマさんだったね?何か用ですか?」
公三郎が丁寧に対応すると、お志摩は感極まって泣き出します。
「うちの名前も覚えてくださる優しい若様を、だましとるこの女は悪人や!」
お志摩は早みどりのところへ元夫が通っていたことを明かしてしまいます。
公三郎はすぐに西海楼の楼主を呼び出します。
お志摩によって全て知られてしまったことを知り、楼主は顔面蒼白になっています。
「若様、お待たせしまして……」
「早みどりを身請けします。板倉氏が何を言おうと警察を動かしてでも進めますので」
淡々とした物言いですが、その迫力はすさまじく、さすがの楼主も何も言えません。
早みどりを無事に身請けするためなら、手段は選ばないと言っているからです。
「よろしいですね?道正さん」
楼主は冷汗をかくばかりで何も言えません。
その頃早みどりは、若様に全て知られたことを悔いて泣いてばかりいます。
そして板倉は金をせびるため、また西海楼に向かっていました。
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声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~56話感想!
チヌの姉がようやく見つかったようですが、かつての美しさは見る影もありません。
歯が抜けやせ細っていますので、何かしらの病になっているのかもしれません。
それでも愛した男がいつか迎えに来るかも、と願う姿が哀れです。
妹の千鳥は若様を失い、逆にそれが自立心を芽生えさせています。
身代わりとはいえ、若様に愛される早みどりは流されることしか知りません。
それぞれの女たちの未来はどうなっていくのでしょうか?
次回の声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~57話が掲載される
まんがグリム童話2月号は12月29日に発売されます。
声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~57話のネタバレはこちら