水木しげる
水木しげるは1922年に生まれ、鳥取県境港市で育ちました。子どもの頃から超マイペースかつ人一倍好奇心が旺盛で、身近に起こる不思議なことに強い関心を抱き、近所に住む老婆「のんのんばあ」から妖怪の話を聞かされて、死後の世界や妖怪に興味を持ち始めました。 1943年、太平洋戦争に召集され、南方の激戦地で片腕を失うという壮絶な体験を経て復員。戦後は貧困に苦しみながらも、紙芝居や貸本漫画を描き続けました。1965年「テレビくん」で第6回講談社児童まんが賞を受賞。以後、「ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」「河童の三平」など、ヒット作品を次々と生み出し、一気に日本を代表する漫画家になりました。 特に代表作の「ゲゲゲの鬼太郎」は、複数回アニメ化され、日本中に妖怪ブームを巻き起こしました。水木自身も漫画家の枠を飛び越えて妖怪研究家としても精力的に活動し、世界各地を回ってはその地に伝わる妖怪・精霊伝説を集めて作品に生かしました。 1993年には故郷の鳥取県境港市に「水木しげるロード」ができ、2003年には同ロードに「水木しげる記念館」が開館。2010年には妻・武良布枝さんによるエッセイをドラマ化したNHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」が放送され、夫唱婦随で苦境を乗り越えるその生き様が多くの共感を呼びました。また同年には数々の功績が認められ、文化功労者に選出されました。2013年には「水木しげる漫画大全集」の刊行がスタートしています。 2015年11月30日、多臓器不全により93歳で死去。2016年1月31日には「水木しげるサン お別れの会」が開催され、関係者・ファン約8,000人が参列し、別れを惜しみました。
今はこの世を通り過ぎた水木しげるですが、その活躍はあの世でも続いていることでしょう。