売れっ子作家となり多忙を極めた水木しげるは、50歳を超えた頃から意識的に仕事を減らし、かねてより興味を持っていた妖怪の研究に没頭し始めました。大量の文献を元に水木が姿を与えた妖怪たちは、私たちがイメージする「妖怪」像に大きな影響を与えています。また、水木の妖怪研究は日本国内にとどまりませんでした。1971年(昭和46年)にパプア・ニューギニアを再訪して以来、妖怪との出会いを求めて世界中へ冒険旅行に出かけました。本章では、息をのむほど緻密に描かれた妖怪画の魅力を紹介するほか、水木が世界中で集めた妖怪像・精霊像コレクションの一部を、自宅に設けた妖怪ギャラリーを再現して展示します。
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