九死に一生を得て復員した水木しげるは、片腕を失ったものの、絵描きへの情熱の炎を絶やすことはありませんでした。境港から神戸、東京へ居を移し、紙芝居作家から貸本漫画家となりますが、原稿料はごくわずか。食うや食わずの生活からはなかなか抜け出せませんでした。そんな極貧の中、見合いしてから5日で妻となった布枝は、水木の才能を信じてひたすら支え続けました。戦後に描いたどこか空虚さを感じるスケッチや、後の「ゲゲゲの鬼太郎」の原作となった貸本漫画「墓場鬼太郎」など貧乏生活の中で必死に描いた数々の貸本漫画原稿を展示します。
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