2021年1月29日発売のまんがグリム童話3月号掲載の「声なきものの唄~
瀬戸内の女郎小屋~」についてネタバレをまとめました。
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【前回のあらすじ】
公三郎は早みどりを離縁させ、身請けすると楼主に言いました。
さらに早みどりに、利市と離縁させるから結婚しよう、とまで言います。
おツネは興奮しますが、早みどりはあまり嬉しくありません。
(結婚しても、ずっと片恋なんやなぁ……)
利市は楼主から離縁のことを聞かされ、激怒します。
しかし彼には何もできないことは楼主にはよくわかっていました。
東陽楼では栄太を慕うおイトという少女がいました。
しかし栄太が想うのは、チヌ(千鳥)でした。
秘めた思いでしたが、傷つくチヌを見ていられず、口づけをしてしまいます。
初めて知る栄太の想いに、ときめくチヌでした。
公三郎はあらゆる手を使って早みどりの離婚を進めていました。
そんな公三郎を浮浪者に紛れた利市がつけねらいます。
目次
声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~58話ネタバレ!
公三郎が料亭を出ると、浮浪者たちがお恵みを求めて駆け寄ります。
「旦那さまぁ、哀れなこじきにおめぐみを!」
紳士である公三郎は、嫌がることもなく、お金を恵んでやります。
それを見ていた利市は、怒りに震えていました。
利市は実は、親族にも見放されていたのです。
利市の一番上の姉は、利市が来るなり怒りをぶつけます。
利市の博打のせいで板倉の田んぼはなくなり、病の実母は姉に押し付けていました。
「板倉の恥さらしのおまえに、助ける義理などない!」
姉は利市に寝た切りの母の姿を見せてやりました。
さすがに申し訳ないと思ったのが、利市は、おっ母、すまねぇ!と頭を下げます。
「実は矢津の若水っていう若君様から、丁寧なお手紙とお見舞金をいただいてな」
公三郎は利市の親族にも手を回していました。
早みどりの身請け金が母に届かないため、見舞金として多額のお金を渡していました。
「あんたと嫁がどうなろうと知らん。利市、あんたとは縁を切る」
姉にきっぱり言われ、利市は軽くめまいを感じます。
それを聞いていた寝たきりの母親は、襖越しに泣いていました。
妹たちにも話が届いているため、もはや利市を助けるものは誰もいません。
金目のものなどない実家を売り払い、刀を手に入れた利市は誓います。
「あの若様に復讐してやるんや!」
自分のしてきたことも忘れ、利市は公三郎を逆恨みしていました。
利市が刀を握りしめ、走り出した途端、別の人力車が現れました。
それは人力車に乗っていたのは、黒川組の久米でした。
「奇遇ですな。今からお帰りですか?」
久米は部下に命じ、公三郎のお供をして守るよう言います。
「暗闇にはあなたみたいな身分のものを狙う悪党もいますぜ。ご用心を」
公三郎は久米の気遣いを黙って受け入れるのでした。
おかげで機会を逃した利市は、悔しそうに逃げるのでした。
恵は加来酒造の叔父をところへ来ていました。
すると、叔父と伯母が珍しく口ケンカをしていました。
「わしが遊ぶ遊郭は国が認めた公娼や!つまりお国のためになっとる!」
恵の叔父は自分の遊びは国も認めているものと叫んでいました。
恵の伯母は穏やかに言い返します。
「お国は妻の苦しみというものは、理解されないもんですなぁ……」
恵の叔父は妻の頬を叩きました。
「おまえに何がわかると言うんや!」
恵は慌てて止めに入ります。
恵の叔父はおだやかな人ですが、たまに妻に手をあげるのでした。
「うしろめたいんや。遊郭で遊んどるのがなぁ」
伯母は「旦那候補」として浮かれている夫に釘を刺したいと思ったのです。
「本当に、男ちゅうもんは仕方ないもんやねぇ……」
寂しげにつぶやく伯母の嘆きは、女郎の女たちの声と重なって聞こえるのでした。
今泉遊郭では、救世軍が大きな声で娼婦の解放を訴えていました。
遊郭の男たちに追われると、救世軍は散り散りになって逃げます。
恵はその一人に声をかけ、助ける手引きをしました。
しかし男は恵の手をひっぱり、遊郭の男たちのほうへ突き飛ばしました。
見つかった恵が慌てて逃げていると、人力車に乗った恵が声をかけてきました。
「ごめんなさい、乗せて!」
恵は早みどりのおかげで、なんとか姿を隠すことができました。
恵はほっとしながら、なぜこんな目に合っているのか、理解していました。
(理由はわかってる。この前の会合で男の人たちを批判したから……)
「恵さんとこないなところで会うなんてなぁ」
事情を知らない早みどりは、のん気に再会を喜びます。
「こちらこそですわ。こんなところで、どうされましたの?」
早みどりは微笑み、恵を甘味処に連れて行くのでした。
ぜんざいを楽しみながら、早みどりは今の境遇を恵に話します。
「まぁ……。身請け話に御結婚まで!なんておめでたいのかしら」
「だから身の回りのもんをそろえたくて、出かけたんですわ」
「お相手は矢津の若様ですよね?良かった、お幸せで……」
恵は仲間に裏切られたことや叔父のことなどが重なり、泣いてしまいます。
「恵さん、ぜんざいお代わりせぇへん?甘いもん食べると落ち着くっていうし!」
早みどりが慌てて口にしたことに、恵は思わず笑ってしまいます。
「女郎さんになぐさめていただいて嬉しいです」
「うちみたいなもんでも、何かの助けになりましたやろか」
「ええ!早みどりさん、忘れないでください。私達は誰しも神の御子なのです」
『神の御子』という言葉に早みどりは、少し嬉しそうに微笑みました。
早みどりを見送りながら、恵は気付いていました。
(早みどりさん、お幸せなはずなのに、なぜ少し悲しげなの?)
千鳥は栄太に口づけされたことが、忘れられずにいました。
(栄太はいつから、うちのことを?)
その時ちょうど千鳥は、客の相手を床でしている時でした。
ぼんやり考え事の千鳥に、客は怒り出します。
そこへちょうど湯たんぽの交換に、栄太が姿を見せます。
「お客様!太夫に乱暴な真似はお止めを」
「こっちは高い金を払っとるんや!」
千鳥は慌てて謝罪しますが、逆上した客に頬を叩かれてしまいます。
突き飛ばされた千鳥の着物にろうそくの火がつき、燃えだしてしまいます。
千鳥の窮地を助けたのは栄太でした。
命がけで千鳥を助け、どうにか事態は収まりました。
「暴れだした客が悪いから弁償はしてもらう。だがいい分は理解できる」
千鳥がうわの空だったことを怒った楼主は、仕置部屋で千鳥を謹慎させます。
そこへ栄太が湯たんぽをもって現れました。
「見張りに話して代わってもろた。火傷は大丈夫か?」
「何もかも栄太のおかげや。ほら、首も髪も無事やろ?」
首筋を栄太に見せてやると、栄太は千鳥を背中から抱きしめました。
「チヌ。好きや……ご法度ってわかっとるけど、とめられへん」
栄太の想いに感動した千鳥は、思わず自分から口づけをしてしまいます。
抑えられなくなった栄太は千鳥を押し倒します。
「ひぇ……」
二人が抱き合う姿を、おイトが偶然目撃してしまったのでした。
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声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~58話感想!
男も女もいろんな思いが交錯する回でした。
利市は自業自得なのですが、あのまま黙って引き下がるとは思えません。
恵は自らの運動と信仰に悩みを抱えることになりそうです。
そして千鳥はこのまま栄太と禁じられた恋仲になってしまうのでしょうか?
次回の声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~が掲載されるまんがグリム童話4月号は
2月27日に発売されます。