2015年1月23日に発売された「アシガール」5巻についてネタバレを紹介します。
今回のお手柄で唯は本丸のお殿様、羽木忠高にお城に来るようにと呼ばれました。
殿からはご褒美として、今日より「林 勝馬」と名乗るが良いと。
殿は、目出度いので唯に今から舞えと扇子を広げて言いました。
唯は困りますが、小学校の時、一番上手だと褒められた、ムーンウォークを披露します。
誰もが驚き、殿は何かしら珍しい小僧じゃと、馬番から警固番役にと昇格させます。
信近はこのまま天野家でお役に立てるよう修行させたいあと言い、殿も天野家は皆、武芸に秀でているのでと任せると言うのでした。
若君も天野の屋敷にいる方が気が楽だろうと言い、唯之助には恩があるので、母君や弟たちとも不自由なく暮らせるよう頼むと信近に言ってくれるのでした。
次の朝から、早くに起こされ、唯は小平太から指導を受けるようになります。
唯は隙があったら逃げて、若君に逢いに行きます。
若君はそんな唯に大笑いし、わしもまさかこんなことになるとはと謝ってくれます。
若君は、いっそ、女子ということを明かして、奥に入って暮らすか?と尋ね、その方がわしも安心して、毎夜、会いに行けると唯の顔を見ながら言うのでした。
唯は真っ赤になりますが、そこへ、小平太の声が・・・。
慌てて逃げる唯に若君は明日も参れ、馬で遠乗りしようと言うのでした。
行こうとしている唯の耳に、姫から文が届いているという声が。
家来から若君の行方がわからない時、姫は心配されていましたと聞き、若君は、では、今宵参ると伝えてくれと。
それを聞いた唯はショックを受けます。
第30話 側室!?
城の門の外では、唯がずっと宿直の小平太を待っていました。
色々尋ねる唯ですが、小平太は主の睦言を詮索することは無礼なことだと言って何も教えてくれません。
おふくろ様と話しても、若君は嫡男なので、側室を持たれるのは当たり前のことだと唯に説明します。
そして、おふくろ様は明日、子供達を連れて梅谷村に帰ろうと思っていることを唯に伝えるのでした。
唯が憂鬱な気分で夜空を見上げていると、何か声が聞こえます。
声がする方向へ行くと誰かが唯の手を引っ張りました・・・それは若君でした。
丁度、信近がおふくろ様に告白し、断るおふくろ様に、よく考えてみてくれと一言残して立ち去るところでした。
垣根で身を隠しながら、唯と見ていた若君はあの堅物がと大笑いします。
そんな若君にみとれていると、若君はどうして今日は来なかった?と唯に尋ねます。
唯は鐘ヶ江の姫を思い出しながら、若君も色々忙しいと思ったからと答えます。
どうしたのか気になって来てみたと若君は唯に言うので、唯は嬉しくも感じますが、姫との二股だと思います。
でも、二股だと思っているのは私だけで、私はそういう対象だとは思ってくれていないのではと思い、悲しくなるのでした。
若君はそんな唯をみながら、どうも様子が変だから、やはり今宵はこれで帰ろうと腰を上げます。
唯はその時、私は若君が姫の所に行くのが嫌だと伝えるのでした。
若君は驚きながらも、唯に近づいて「わかった」と答え、あれは人違いであったと昨夜は言いに行っただけだと説明します。
そんな時に、また戦になるやもしれないと小平太たちが。
唯は永禄二年が終わるまで後二ヶ月・・・戦になるの?と心配な顔をしていると、若君が唯の頭を撫で、大丈夫だからと言ってくれました。
31話 戦
若君が城に戻ると、家来たちがご御寝所にいないと騒いでいました。
すかさず、天野信茂がどこぞの女子のもとに忍んでゆかれたのでは?と尋ねます。
若君はまあそうかのと肯定すると、信茂はどこの女子じゃと騒ぎ始めます。
小平太はそれを制止、今は殿がお待ちなのでと、殿の元へ案内するのでした。
早馬が届けた、小垣城の政秀からの書状を若君に見せます。
若君はやはり避けられないかと思いながら、高山が何か企んでいることを父の忠高に伝え、自分が小垣へ出陣すると宣言するのでした。
すると、お待ち下されと、兄の成之が部屋に入って来ました。
一方、唯は信茂からまた戦があることを聞き、せめて来年まで延ばせないものかと尋ねます。
信茂は相手が攻め込んで来たら戦うしかあるまいと答えます。
唯は歴史を知っているだけに、今回の戦いが一番危ないと感じるのでした。
信茂は何も案ずることはない、兵の数も強さも我らの方が数段上だと唯に説明するのでした。
唯は木村先生がどうして羽木が負けたのか謎だと言っていたことを思い出し、何があったのだとうと考えます。
そんな時、信茂は今回は若君ではなくて、成之が先陣を切ることを唯に話すのでした。
唯は何か企んでいるのでは?と不安になります。
唯は大事な話があると文にして城に届け、その帰りに成之の側近の坊主に、鳩尾に拳を入れられ、運ばれて行きます。
成之の元に運ばれた唯は、媚薬を飲まされることに。
その夜、若君が唯を尋ねて行きますが、唯の姿がありません。
第32話 媚薬
若君は小平太に唯之助はどこへ行ったのかと尋ねています。
ここにはいないので、どこかに遊びにでも行っているのだと小平太は言いますが、若君はそれはないと。
家来の一人が、先程、酒に酔った唯之助が坊主に担がれていたと伝えます。
若君は驚き、その坊主は成之の側近だということも知ります。
直ぐに若君は成之のもとへ。
その頃、唯は目を覚まします。
息苦しくて、動悸がし、目もよく見えなく足に力が入りませんでした。
そんな唯の目に入ったのは、少しうたた寝をしている男性・・・成之でした。
成之も目を覚まし、やっと目覚めたか・・・もう下がってよいと唯に言いますが、唯は成之を見て、若君様と言って顔を赤くしています。
成之はこれが錯乱かと確信し、唯に近う参れ、忠清だと嘘をつきます。
その時、外には忠清が・・・。
若君が声を掛けても反応がないので、障子を開けると、唯が成之の傍にいます。
成之は忠清の顔を見て、唯を抱き寄せます。
若君は非礼を謝り出直すと言いながらも、唯の腕を掴んで、酒を飲み過ぎてご迷惑をかけたようなので、私の配下の者ゆえ、引き取らせていただきますと。
唯は若君を見て、正気に戻ったようでした。
二人は外に出て、唯が何か言うとすると、若君がもう軽はずみなことをするなと凄い剣幕で怒ります。
もう次の満月までは勝手に出歩くなと唯に言い、小平太には当分、外へは出すなと言って帰って行きました。
唯はどうして若君が怒っているのかわかりませんでした。
最近、塞ぎ込んでいると耳にしましたと信茂が若君の前へ現れました。
女子じゃのと信茂はにやりとするので、若君は違うと答えます。
よい酒が手に入りましたのでと信茂が言うと、若君は唯が酒が飲めなかったことを思い出します。
そして、直ぐに小平太を呼び、成之の側近の坊主の所に行かせます。
唯は天野家の庭で落ち込んでいると、若君が現れます。
坊主に全てを聞いたと言って誤解をしていたことを謝り、どうやら嫌なのだと若君は唯に言うのでした。
明日は満月なので、お前を見送ろうと言い、できれば「ふく」のような女姿がもう一度見たいと言います。
唯は喜んで直ぐに「はい」と返事をするのでした。
第33話 満月の夜
若君は成之に会いに来ています。
成之は酒を飲みながら、若君直々にお出ましか、問答無用に斬り捨てにこられたか・・・。
坊主は昨夜の内に逃げ出したようだ・・・今までの謀を全て話したのだろうと成之。
若君は肯定しましたが、今日は兄上に頼みがあって参上したと言うのでした。
戦の先陣をこの忠清に譲っていただきたいと。
若君は今までのことは父上には何も話していないと言い、この戦に勝利し、羽木家が無事であった時は家督を兄上に譲りたいと伝えるのでした。
成之は驚き、そんなことは、信じないと言います。
若君はそれでも、羽木家と父上のことはお願い申し上げますと手をついてお願いし去ろうとしました。
成之は引き止め、どうしてかと尋ねます。
若君はもう戦はしたくない・・・戦に出ない大将はいらないでしょうと言うのでした。
一方、唯はあやめを尋ね、娘に変身させてもらうのでした。
約束の時間に待っていると、若君が唯と声を掛けてくれました。
そして、笑いながら確かにあの時の娘だと言います。
馬で来ているので、唯は何時ものように馬の手綱を持って、タタッと走ります。
若君はそれでは様にならないからと、唯の腕を掴み、若君の前に乗せるのでした。
若君は唯にこの戦は私が先陣を務めることにしたとを報告します。
唯が心配そうな顔をするので、必ず勝利して運命を変えてみせるゆえ、お前も先の世で確認してくれと言うのでした。
唯は私も一緒に若君と戦うのですからねと言うので、若君はそうであったと相槌をします。
若君はそろそろ月が高くなったので、行かねばなと、唯を馬から降ろすのでした。
じっと見つめる若君に、今日は変ですねと唯が言います。
若君は次、戻ってくる時は今度こそ腹を決めてから参れと言うのでした。
真っ赤になっている唯に、ご両親と尊にくれぐれもよろしく伝えてくれと言い、唯には文を渡すのでした。
読もうとする唯に、それは、向こうに帰ってから読んでくれと若君は言います。
唯はラブレターだと嬉しく思い、短剣を出して、じゃあ、ちょっと行ってきますと抜くのでした。
若君は唯、私の前に現れてくれて感謝する、お前のことは生涯忘れないと伝えます。
唯は、まるでもう会えないようなことを言って、3分もすれば戻ってくるんですからと言うと、そうであったと笑顔を返す若君でした。
そして唯が戻ってきたら・・・と話している内に姿が見えなくなるのでした・・・。
第34話 生まれ変わったの?
唯はまだ若君に話しています・・・今度戻ってきたら・・・と言ってもじもじしながら・・・。
尊と両親がタイムマシンの前で待っていました。
戦国の娘の後ろ姿をみる家族は振り向くまで唯だとは思っていませんでした。
唯だと気が付いた母は帰って来てくれて良かったと安心した顔で言います。
唯は来月、あっちに行ったらもう戻れなくなるけれど、若君と一緒にいたいから行かせてと父母にお願いするのでした。
家族は皆、唯の言葉に驚きます。
尊は、今回が最後だから、来月はもう行けないよと説明するのでした。
唯は驚いています。
若君は何も言わなかったの?と尊は尋ねます。
唯は真っ青になったまま、若君から渡された手紙を読もうとします。
が、戦国武将の字体なので唯には読めませんでした。
そこへ隣の向坂先生が読んであげようと訪ねてきました。
向坂先生は、何も若君から聞いていないが、昔の武将なのではという思いがずっとしていたことを唯たち家族に打ち明けるのでした。
向坂先生は唯に訳して手紙の内容を聞かせました。
内容を聞いた唯は呆然とし、尊は若君はこっちに帰すつもりで嘘を言ったんだなと。
唯は酷いと泣き崩れるのでした・・・。
唯は久しぶりに学校へ行きました。
学校では体調不良で1ヶ月学校を休んでいたことになっていました。
1ヶ月の間に席替えがあり、隣は転校生の高木になっていました。
学校帰り、黒羽城跡に唯は行っていました。
そこへ隣の高木が唯に声を掛けます。
ここに来ると落ち着くという高木を見て、唯はこんなやつに生まれ変わったの?と。
第35話 歴史が変わる!?
唯は家で、若君の生まれ変わりを見つけたと話します。
どうしてわかったの?と尋ねる尊に、このタイミングで転校して来て、足の速い女子が好きで、黒羽城跡を見ると落ち着くと言っていたと。
尊はそれだけでは・・・と言いますが、母は早く見つかって良かったねと。
唯が着替えに行っている間に、尊には、今はそう思いたいだけなのよと母は言うのでした。
次の日、唯は友達に、高木に告白すると宣言します。
友達は早過ぎるよと止めますが、唯は今は全く好きじゃないけれど、若君の魂が高木の中にあるなら、何時か、必ず大好きになると思うからと。
その時、登校してきた高木が友達と談笑している時の、顔を見て、ダメだこれは・・・間違ったと思うのでした。
我に返った唯が帰宅した時、家の前に凄く可愛い女性が立っていました。
忠清さんにこの間のお礼に手作りケーキを食べて頂きたくて・・・と渡されます。
大泣きして尊に訴えます・・・尊は唯に説明し、そして慰めます。
「若君は唯が一番好きだって」と。
そんなことは早く教えてよと尊に唯は言いますが、尊は今更言っても悲しいだけだと思ってと。
もう一度、元禄の世に行けることを祈りながら日は過ぎて行き、新しい年になります。
学校に行くと歴史の木村先生に新しい羽木家のことがわかったと声を掛けられます。
どうやら羽木家は永禄二年に滅んではいなかったと。
唯は先生が見せてくれた資料を見て、約束通り若君は生き抜いて歴史を変えたんだと。
でも、喜んだのはそこまで、新たな問題が・・・。
若君には松丸阿湖という姫との縁談の話が・・・。
アシガール5巻 感想
唯と若君との別れ・・・
若君の悲しそうな顔が印象的でした。
また、何時か会えますように!!