2022年5月27日発売のまんがグリム童話2022年7月号掲載「金瓶梅」233話についてネタバレです。
【前回のあらすじ】
刺客を送り金哥を襲わせたのが東の方だと知った春梅は、東の方へ乗り込み于英と取っ組み合いの大げんかになりました。
そして菊軒は金哥と会える機会がほしいという春梅の願いを周忠に伝えます。
そこで周忠は義父と交渉して、春梅が金哥と会うための許可を取りました。
目次
金瓶梅233話ネタバレ
柳街では旦那様と浮気相手の艶香が宿でイチャイチャしている様子を、柱の影から金蓮がイラ立ちながら見つめていました。
金蓮はルルから艶香について、食いついたら骨までしゃぶる女だと聞いていたようです。
艶香をどうやって懲らしめてやろうかと金蓮が考えていると、王婆がやってきて、随分とご無沙汰じゃないかこの性悪女と声をかけてきました。
王婆は昔西門の旦那様と金蓮の仲を取り持った茶屋の主人で、金蓮に前夫の武大毒殺をそそのかし、その後も金蓮を金づるにしている強欲女です。
そして王婆が艶香の知り合いだと知った金蓮は、好都合だと喜び、彼女に頼みごとをすることにしました。
しかし今日は王婆の都合が悪いらしく、明日また会うことになりました。
その後、王婆は艶香の元へと向かいます。
艶香は頼まれた品は届いている、しかも上玉3人だと言いながら、王婆を部屋の奥へと案内します。
そこには3人の女性が座っており、王婆は美人ぞろいだから先方も喜ぶと満足げに微笑みます。
そして王婆は3人を外の車に連れていき、男から金を受け取りました。
それから女たちは車でどこかへ向かいます。
女たちは年頃を過ぎたため、前の店をお払い箱にされたようで、ちゃんとした新しい廓に転売してもらえるか不安になっている様子。
しかしあのままいても先が知れており、他に行くところがないので信じるしかないと話しました。
その後、彼女たちがやってきた新しい職場は、絶壁に建つ古びた廓でした。
出入口の吊り橋の下には虎が2匹おり、彼女らは怖がりながら先へと進みます。
すると案内された先に宿の主人がおり、3人は秋雪、青鶴、翠屏とそれぞれ名乗って自己紹介しました。
3人はそれぞれ部屋を用意されているらしく、秋雪と青鶴は喜びます。
そんな中、翠屏はとばりの陰に誰かいる気配を察知するも、何の紹介もされず、モヤモヤしていました。
彼女たちが去った後、主人がとばりの陰にいる人物に声をかけます。
その人物は髭面の年老いた薬師でした。
主人は薬師に、あの娘たちをどうするつもりかと問いかけます。
すると薬師は、あれは娼妓ではなく、籟牙(らいが)のために連れてきたおもちゃだと答えました。
籟牙とは檻の中の男のことらしく、薬師が新しい名前をつけたようです。
籟牙は来たばかりの頃は目も当てられないほど狂暴でしたが、最近は投薬のおかげで見違えるほど落ち着いているとのこと。
いい子にはご褒美を上げないとねと、薬師は不敵な笑みを浮かべます。
翌日、3人は用意された衣装を着て、主人の案内でどこかへ向かい始めます。
その間、主人が彼女らにこれからある男の世話をしてもらうと説明します。
もし男の心を射止めて夫婦の契りを交わすことができたら、多額の自参金と共にここを出て自由の身になるとのこと。
それを聞いて、秋雪と青鶴は喜びますが、翠屏はこんな場所でそんな好条件を出すなんて、そんなに厄介な相手なのかと尋ねます。
すると主人は男には過去の記憶がなく、自分の名前も素性も何も思い出せないのだと打ち明けました。
そんな男の心をつかむのは難しいだろうという主人ですが、3人は二ッと笑いながら、見くびらないでと言います。
彼女たちは素性が分からない怪しい客を毎晩相手にしてきたため、自信があるようです。
その後、3人が主人に案内されてやってきたのは、檻の前でした。
主人は檻の中にいる籟牙に、身の回りの世話をする女人を連れてきたと話します。
すると秋雪が自分が一番にお世話をしたいと名乗り出ました。
そこで主人は今日の世話を、秋雪に頼みました。
秋雪は2人より先に籟牙を落とし、早くここを出ていきたいと考えている様子。
籟牙は男には珍しく耳飾りをつけており、秋雪は少し驚きながら彼の世話を始めます。
すると主人たちが去った後、籟牙は早速秋雪に迫ってきました。
秋雪はもう引っかかったとクスッと笑いながら、彼に顔を近づけます。
一方、廊下を歩く翠屏は、秋雪は器用だからあっさり男を落としているんじゃないかと考えていました。
その時、宿で働いている男たちが、何やら慌てた様子でやってきます。
翠屏は何かあったのかと尋ねますが、彼は何でもないと答えました。
しかし実は籟牙が秋雪に手をかけ、彼女を殺してしまったようです。
籟牙は記憶が戻ったわけではなく、なぜ手をかけたのか自分でも分からないようです。
薬師は落ち込む籟牙に、君は病気だから仕方がないと声をかけます。
そのため自分と一緒に病を治そうと籟牙を励ます薬師。
そして薬師は、あの女はそんな根深いところに棲みついて、なお浮かび上がるのかと考えます。
実は籟牙の本当の名前は武松。
金蓮の前夫である武大の義弟らしく、義兄の死に疑いを抱き、息子の西門慶と金蓮を廓で襲って逮捕されたのです。
武松は獄中で死刑が執行されたと記録にはありましたが、捜してみれば生きていて無法者たちの群れに紛れ込んでいました。
おまけに以前の記憶がなくなっていたのです。
それなのに、秋雪を手にかけてしまった籟牙。
薬師はそのこしらえは、どう見ても金蓮だと考え、面白くなってきたと微笑みます。
そして青鶴と翠屏は秋雪が誤って橋から落ちて死んだと知らされ、籟牙の世話も当分中止になりました。
一方、旦那様は宿で艶香と浮気していました。
その時、外から悲鳴が聞こえてきました。
艶香が外に出て様子を見にいくと、泊まり客で来ていた泥亀売りの泥亀が荷物から逃げ出して大騒ぎになっていました。
しかも雪蛾や金蓮が泥亀を買いに来ており、彼女たちも姿を現します。
すると部屋から出てきた旦那様と金蓮たちが鉢合わせしてしまいました。
艶香が旦那様に引っ付いているのを見た金蓮は、離れなさい泥亀女!と激怒。
そして金蓮は旦那様を説教しました。
実はこの騒動は金蓮の依頼で王婆が仕掛けたものでした。
これにより旦那様を無事に艶香から引き離すことができ、金蓮は彼に泥亀を買わせて、雪娥に美味しく料理してもらいました。
雪娥は材料費を出すと言ったら、快く付き合ってくれたようです。
王婆は旦那様の性は変わらないので浮気くらい大目に見ればいいと言いますが、金蓮は自分は嫉妬深い性なので、こればかりは変えられない、嫌なら旦那様が浮気癖を直せばいいと話し、去っていきました。
しかしその部屋では密かに客として訪れていた薬師が隠れて、話を聞いていました。
王婆はあの様子じゃ金蓮は西門家を離れることはなさそうだし、まだ当分薬師のものにはならないだろうと話しますが、薬師は先のことは分からないと返しました。
そして薬師はまた女人たちを見繕ってもらいたいと要求し、王婆に金を渡すのでした。
金瓶梅233話感想
金蓮の知らないところで不穏な影が動き出しました。
これからどうなるのでしょうか?
次回の「金瓶梅」234話が掲載されるまんがグリム童話2022年8月号は6月29日発売です。
金瓶梅234話ネタバレはこちら